「オーディオの始まり」DENON PMA-300Z

コロムビアのアンサンブルステレオで色々なジャンルの曲を聴き、それなりに楽しみ、数年が過ぎた頃、スーパーの2階フロアーの一角にオーディオコーナーが有る事を発見。

この時代はオーディオショップはもちろん、家電チェーンストア(ナショナル・東芝・日立など)の店頭はオーディオ一辺倒、もちろんソニーも直営専門店で展開、百貨店(デパート)も1フロアーをオーディオにスペースを割り当て随分盛り上がっていましたが、町中の多層階の少し特殊なスーパーでしたが、スーパーに変わりはなく1フロアーの大きなスペースに、ブックシェルフスピーカー30~40組、アンプ30台、チューナー30台、プレーヤー20台、その他諸々が展示されていたのには驚きました。

感覚的にオーディオは趣味性が高く高級な物と思っていましたから、ほうれん草やダイコンを手に、聞いたり観て回り、買って帰る・・・無いですね!!

只、全くコンポーネントに興味が無かった私にも、十分なインパクトは有りました。

この日以来、気が付くとコンポーネント製品に目が向いていました。
こうなると普通は何か欲しく成ります、何にしましょう・・・・知識が有りません・・・困った挙句は、物理スペースの問題で解決する事にしました。

スピーカーはサイズ的に、アンサンブルステレオとの共存は無理、レコードプレーヤーも縦横がスクエアーで収まりが、すこぶる悪い・・・チューナーは最初のコンポーネントとして相応しいのか?今一つピント来ない・・・結局、全てを束ねるアンプが一番重要かも?漠然と感じ決定!!!

アンプ選定作業は難航を予想しました・・・DENON PMA-300Zに決定!

PMA-300Zの画像

小さな頃から数字や表を見るのが好きで、カタログの見比べの段階で決まってしまいました。

カタログの何が琴線に触れたのか?
私の幼い頃、外国から物が押し寄せていました。
少し前の外国製品=中国製=粗悪、とは真逆の、アメリカやヨーロッパからやって来る物は、とても華やかで・素敵で・・・1960年代のLIFEやTIMEなどの雑誌を見ると、今でも憧れる物が溢れていて、アメリカの底力を感じます。

DENON PMA-300Zが発売された頃は、一般家庭に流通する電化製品の性能向上は著しくアメリカをも席巻し、舶来(輸入品)のアドバンテージは、今と同様に一部の高級品に限られていたと思いますが、本気のアメリカやヨーロッパを知る身としては、何処かで憧れが有った様です。

もう一点は、私が天邪鬼で有った事です・・・結果以下の2点で決定です。

●米国モトローラ社のシリコンパワートランジスタ使用
●両ch駆動時:17W+17W(8Ω)

日本のトランジスタの方が、この時代にはもう性能は上だよ!・・・関係無いのです、好きだから。
出力17W+17W小さすぎでしょう・・・確かにこの時期から、トランジスタの性能向上が著しくパワー競争の始まりの時期で、他社のアンプは17Wに対し、軒並み25W~30Wは出しキャッチコピーの最重要要素になっていました。

見方に拠り、色々の解釈に分かれると思います
モトローラなど使うからパワーが出ない!
裸特性の良いモトローラの、パワーより質を重要視したなど・・・

パワー競争に突入したアンプの世界で、敢えてパワーを捨て、質に拘る天邪鬼な感じが気にいったと言う事だと思います。

カタログ上ですべては決まりでしたが、購入の為にはお店から持ち帰る訳で、やはりダイコンと同じ店舗内での購入は無理でした・・・私にとっては高級品、購入に至るプロセスは重要で、取り分け所有欲を満たすシチュエーションが大事で、専門店で購入する事に、ここで初めてDENON PMA-300Zとご対面、上を見ればキリがない、けれど同クラスの中ではヘアライン仕上げの色艶・セレクターレバーの質感や操作感文句なし!

音への「こだわり」は外観にも表れ・・・期待は一気に高まりました。

家に帰り、アンサンブルステレオのスピーカーの配線を伸ばしての音だし・・・違いが解る訳が有りません・・・アンプで比較すれば、我が家では十分な音量の最新トランジスタと、超シンプルな真空管アンプ・・・・セパレーション0の伽藍洞スピーカー・・・振動板が重ければ多少違いが出たのかもしれませんが、非力な真空管用に設計された軽い振動板では意味が有りませんでした。

アンサンブルステレオ単体(部屋の空間に対する、音像・音場のイメージ)

PMA=300Zに変えた時(部屋の空間に対する、音像・音場のイメージ)

変化はこんな感じだったのかもしれませんが、音場?音像?・・・何も判らない私に音像が僅かに正体を現し、音場が若干広がった等・・・解る筈は無く、正直変化無し・・・でした。

オーディオの入口を開けたつもりが、出口だった!
徐々にですがカオスな世界に入り込んで行く第一歩でした。

次回は、「オーディオスピーカー最低の音?」VICTOR SX-3・・・では、また会いましょう


VICTOR SX-3

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