「レコードが苦手」DENON DP-3000・ORTOFON AS212・ADC QLM36MKⅡ


プレーヤーの順番に成りましたが、プレーヤーに殆ど興味が有りません。

この当時から入口(プレーヤー)と出口(スピーカー)の重要性に付いて認識は有りましたが、興味が湧きません・・・原因は判っています・・・触手が伸びません。

レコードのカッター針とレコード針の関係、簡単に言ってしまえばカッティング後のレコード溝とレコード針の物理的不適合の問題が気持ち悪い・・・頭の中で解決出来ない・・・丸針、楕円針、ラインコンタクト針、マイクロリニア針、シバタ針など形状が違えどカット溝とイコールには成らない。

埃や静電気に拠るスクラッチノイズからの開放が物理的に困難・・・不可能・・・埃は取り切れないし、静電気も強力に帯電してしまった物はスプレー等でも除去が難しく、音質的にも多大な影響を及ぼす等、扱いが難しく、厄介・・・

レコード盤の反りや回転ムラ(クオーツ以前)などのワウフラッターや、アームの追随性や外周と内周の音質差など、構造的に回避不可能な問題が山積みのカテゴリー・・・

トラッキングの解決策で成りえたリニアトラッキングは何故普及しなかったのか?
現実はリニアで横移動を繰り返しトラッキングが不安定で、常に片側トレースになりトラッキングの解消には成らなかった事(厳密には重箱に角を突く様な話)と精密すぎ故障が多すぎた。

もしかしたら最大の理由は、オーディオ機器の中でも遊べる部分(自分好みに変えられる)が多いアーム・シェル・針などの交換が大幅に制約され、趣味の世界の大事な部分、所有欲が制限されるなど趣味性に欠けた・・・ORTOFON A/G・SMEなどが使えない・・・

時期的にも熟成度に関しても製品化された時代が早すぎた?・・・「とどのつまり」リニアトラッキングを採用してみたら、トラッキングの影響を解消できず「実は再生に関してトラッキングは大した事では無かった」事になり?スイングアームに思考回路が戻った。

SL-10の画像
Technics SL-10 ¥100,000(1979年12月発売)

発売された時は期待しましたが、殆どのメーカーが撤退、唯一テクニクスがオーディオ製品省スペース化の流れの中、設置スペース改善策として一時期認知されるに留まり収束していき、私の入口はCDプレーヤーの普及までお預けに成ります。

良く超ど級マニアの方の紹介記事で、重量級プレーヤーと設置場所の下にコンクリート柱を打ち込み不要振動を徹底的に排除・・・等記事を見ると、趣味の世界とことん楽しむ・・・これがオーディオと思いながらも、レコード針が扱う世界は2.5mil程度(1mil=0.0254mm)の小さい針先の、針圧は重くても5g、大半が1~3gの世界で意味を見つけるのが私には難しい・・・20m離れた道路をダンプが走れば20階建てのマンションが揺れる事も・・・地面を伝わる振動もさることながら、空気振動が凄い!スピーカーのウーハーの振動もこれ叱り・・・気にしだすと限がない・・・ここまで道理に合わない道具は性に合わない・・・拘りだすと堪らない・・・適当な所で折り合いをつけて、スピーカーから音楽が鳴ればプレーヤーは・・・OK。

CDの普及までの我が家の入口ラインアップは以下の通り・・・脈絡が有りません。
プレーヤーの話は自分で言うのもなんですが、ヘタレで参考になりません。

DENON DP-3000 ¥43,000(1972年6月発売)

放送局用プレーヤーデザインで性能も過不足無く、長く使えそうと選択しました。
十分に期待に応えてくれました。
使い方は誉められたものでは無く・・・なんとキャビネット無しでゴム系インシュレーターの3点指示の疑似フローティング・・・純正キャビネット又は合板で自作がこの時代の標準だと思いますが、振動に関しては少し拘りが・・・半端なキャビなら無い方が共振しない!・・・免震構造、前でのコンクリート柱直結とは真逆・・・再生時は水準器で平衡を確認後レコード再生・・・結構面倒・・・馴染めませんが、一般的にソースはレコードしか有りません・・・我慢です。

ORTOFON AS212 ¥24,000(1971年頃発売)

伝統と実績のメーカー、構造がシンプル・インサイドフォースキャンセラーもラテラルバランサーも気にしない「ものぐさ」仕様で壊れそうに無いがポイントの選定・・・ターンテーブルと同じくポン置きの設置、オーバーハングと高さと平行の確認のみ・・・コの字の金属塊の凹み部分を上にして、その上からはめ込む様にプチルゴムで半固定で終わり・・・プチ免振です・・・私の耳には十分です。

DL-103の画像
DENON DL-103 ¥16,000(1970年頃)

運悪く1週間ほどでカンチレバーが折れてしまい、音の印象が余り有りませんが、音が締まり解像感が有りフラットな、如何にも放送局で使われそうな日本的で中庸な感じがしていたと、記憶がねつ造されています・・・実際は購入直後の事故のショックが大きくDL-103の音は対して記憶が有りません。
ここで紹介した理由は、この事故で軟な構造のカートリッジに懲りてしまい、次に紹介するADCのカートリッジの購入動機になった事です。

ADC QLM36MKⅡ¥14,500(1977年頃)

カンチレバーも針先もDL-103の2~3倍以上有り、今様の用途で言えばDJのスクラッチにも十分耐えられそうな?・・・実際は使えませんが見た目の骨太感で採用、ADC/XLMの時代は軽針圧の代表の様な存在で音の評価は良く、使用に際しデリケートな一面が有りましたが、ADC QLM36MKⅡの頃にはデリケートな部分は解消され明るく・骨太で・アバウトな雰囲気で音楽を聞かせ、アメリカを感じさせる音作りに変化していました。

DL-103の音に付いて先ほど「ねつ造」が有りましたが、まんざら嘘では無いのです。ADCのカートリッジで感じた全ての印象と対極に有り・・・それ故印象に残らなかった・・・言い換えるとADCの音が「事の他、心地良かった」細部に拘らずとも音楽を楽しく聞かせてくれる・・・こんな感じが理想のリスニングだと五感がこの時覚えた気がします・・・以降15年程針交換無しで使い続ける事に成ります・・・厳密に言えばもはやレコード再生では無く、溝の何処をピックアップしていたのかも判らない状態だったのかもしれませんが、目視は購入当時と変化無しで・・・私にとって理想のカートリッジだった様です。

SR-525の画像
SANSUI SR-525 ¥44,500(1976年頃)

DP-3000とAS212の組み合わせで聞き始めて2~3年後、知り合いから頂いたSANSUI SR-525により、インサイドフォースキャンセラーもラテラルバランサー・バランスウエイトなど微細な調整によるアームの動きや音の差異、ダイレクトドライブと言えどクオーツ以前は揺れ動く事など、完全マニュアル調整のSR-525で初心に帰る事が出来た事と、ADCカートリッジを使う限りプレーヤーに拠る違いは、私には判らないと教えてくれたプレーヤーでも有りました。

アナログの入口はこの組み合わせ以降、殆ど変化しませんでしたが、私のアナログ最後を飾ったのは・・・やはり、ORTOFON RMG309とSPU-GTですが、またいつかの機会に。




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